在庫管理はお金の管理

キャッシュフロー(お金の流れ) コンサルタントとして

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いきなりですが、「商売」とは何でしょうか?

 

商売は「仕入れたものに適正な利益をのせて他に売る」

「誰」から「何」を仕入れて、「誰」に「何」を売るか。

そしてこれをいかに上手に「続けるか」

これが原則だと思います。

 

でも、

この原則の中にもキャッシュフローを苦しめる盲点があります。

 

 

とあるクライアント先での出来事・・・

 

社長:「先生、どうしてもお金に余裕ができないんですが・・・」

 

吉田:「・・・社長、ちゃんと適正な利益をのせて売値を付けていますか?」

 

社長:「商売だから当然ですよ。でも、なぜかお金が足りない時があるんですよね」

 

吉田:「今は利益幅はどれくらいですか?」

 

社長:「少なくとも原価の30%、いける時は50%くらいはのせていますよ」

 

吉田:「ですよね・・・(しばらく確認して)社長、例えばこの取引、

    A社に100円で3個売ってますが、これの仕入れ単価っていくらです?」

 

社長:「これは単価で60円ですね。なので、これだと今回は120円利益が出てます」

 

吉田: ちなみにこれって10個単位での仕入れですよね。そうだと残り7個は・・・」

 

社長:(自信満々で)当然在庫で残ってます」

 

吉田: なるほど。でもキャッシュフローで考えると集金は300円で支払いは600円になりますよね・・・

    これだけでみると集金した分では支払いできませんよね」

 

 

このようなお話は、どの会社でもあるワンシーンです。

 

ここでのポイントは、いくら利益が120円出ていても、

キャッシュフローでは300円のマイナスになっているという事実です。

 

通常の商取引では、まずは先に仕入れて後から売る。

代金の清算はその後にそれぞれの決済日に行うという事が慣例だと思います。

 

先に払って後から入金がある、

という事はその間は自分が立替払いしているということです

 

一昔前には手形取引というものが利用されていました。

 

これだと、今回仕入れた分を全部売り切れるタイミングに支払日を合わせることが出来ましたので、

あまり立替を行うシーンは少なくて済みましたが、

今の時代は手形自体の取り扱いもなかなかハードルが高くなってきました。

 

そうなると、立て替える分のお金は自分で調達する必要が生じてきます。

(これが俗にいう「運転資金」って奴ですね)

 

特に売り上げが右肩上がりの場合などは、毎月仕入金額が雪だるまで増えてきますので、

今月集金分では今月の仕入代金もまかなえきれない、なんてことがおきてきます。

 

また、

仕入先のキャンペーンなどにより特別価格で安く仕入れられるからといって大量に仕入れてしまいますと、

その分を売り切って代金を回収するまでは資金的には苦しくなってきます。

 

あと、自分の予想で「まだまだいける」と思って多めに仕入れていた商品が、

あるときピタッと止まってしまった。なんて経験はありませんか?

 

他の客先でも扱ってもらえそうな汎用品なら、まだ救いもありますが、

例えば特定の専用品なんかで最終的にはデッドストックになってしまうと、

単なる倉庫の場所ふさぎで、目もあてられません。

 

まさか年に2、3回しか出ない商品を、在庫は5回分くらいあるなんてことないですよね。

(笑い話ではなく、ホント良くある話です)

 

ハッキリ言って

「在庫ってキャッシュが姿を変えただけなんだ」

いう事を肝に銘じておいて下さい。

 

キャッシュだったら、例えば銀行などにおいておけばチョットでも利子を生んでくれますが、

在庫を倉庫にストックしておいても何も生みません。

 

むしろ保管料なんかで利益の垂れ流しになってしまいます。

 

やはり商売の鉄則である

「必要なモノを、必要な分だけ、必要な時に取引する」

これが絶対必要になります。

 

そして、ロット単位じゃなきゃ仕入れられないようなモノは、

こちらも客先にロット単位で引き取ってもらえるように努力する。

 

特に、ものつくりの場合は必ず「見積りはロット単位で見積りする」

くらいの意識がなければ、気が付けばデットストックの山になってしまいます。

(「パイプ」とか「電線」とか「ボルト」とかは要注意ですね!!)

 

在庫管理はお金の管理。

そして、在庫とは「なってしまうもの」ではなく、意識して作るものです。

くれぐれも「在庫になっちゃった」は、やめてください。

 

在庫を作りたいときは資金と商品の動き(お金の流れとモノの流れ)を睨みながら行ってみて下さい。

 

 

これに気を付けるだけで、資金繰りは結構改善されたりするものです。

 

では、また。