この領収書って、経費になりますか?
個人事業主の方で、毎年春に所得税の確定申告をしている人にとって、
夏から秋にかけては、一番「税金」という言葉が縁遠くなる時期だと思います。
「どうせ春の確定申告の時期にはイヤでもやんなきゃいけないんだから、
今くらいはチョットいいよね」
なんて思っていると、あっという間にまた春が来てしまいます。
でも、節税を考えた場合には日々の取引の段階から、
「これって税金を考えた場合どうなるのかな?」
くらいは気を付けてほしいものです。
そうでなくても、帳面つけや領収書の整理なんかは、
少しずつでもやっておかないと、気が付いたらグチャグチャになってしまって、
「面倒くさ!!」ってなってしまいます。
「じゃあ、チョット整理しないとな」と思ってひっくり返してみて、
「さて、領収書を引っ張り出して・・・ヤバッ!領収書が足りないや、
そもそも領収書ってないとマズイのかな?」
とか、
「さあ、領収書を整理して集計してっと・・・この分て経費になるのかな?」
とか、こういう事って一度は経験したことがあると思います。
そもそも、この経費になるかどうかって誰が決めると思いますか?
税務署?税理士?自分自身?・・・
俗にいう確定申告って、本来は
「自分自身の一年分の所得税の金額を自分自身で計算して、
計算した税金を納めて下さい」
ということなんです。
この所得税って、「所得税法」という法律によって計算方法が決められています。
そしてこの所得税法に、
「こういう収入がある場合は、こういう経費が認められます」
という具合に決められています。
でも、人間って十人十色。同じような取引でも
「Aさんの場合は大丈夫でもBさんの場合はダメです」
というケースがあります。
いくら法律とはいっても、さすがに世の中で起こり得る取引を全部カバーするのは、
絶対に無理です。
そうすると、
「この取引は、他のこの場合と同じみたいだから、同じようにしておこう」
と判断したところ、
税務署から
「今回のこの取引は、あなたが判断したケースとは少し違うので、今回はこうなります」
とクレームが入ることがあります。
そうなった場合は、法律の問題ですので最終的には
裁判所が裁判によって判決で決めることになります。
最終的には裁判所が裁判で決めるという事は、
そのための証拠として領収書が必要になります。
領収書がないと本当に経費として支払ったかどうかが証明できませんので、
自分自身を守るためにも領収書がないとマズいんです。
さすがに裁判までは・・なんて思っていても、近いところで税務署の人に
「本当にコレって支払ったんですか?」
とか
「本当にこの金額ですか?もっと安かったりしてませんか?」
とかで最悪その経費が認められないなんてことになると、
必要以上の税金を払うハメにもなりかねません。
そういった意味でも領収書はちゃんとしておきましょう。
でも、
例えば自動販売機で飲み物買ったり、駅で切符を買ったりなどで、
領収書が発行されないケースも結構あります。
そんな相手先の都合で領収書が発行されない場合には、
その分はちゃんと帳簿につけておいて下さいとなっているために、
帳簿を作る必要があるんです。
もう少しツッコむと、すべての商人は法律により領収書等を保存する義務と
帳簿を作成する義務がありますので、この両方がないと法律違反となってしまいます。
(これを専門用語で「原始記録」と「総勘定元帳」っていったりします)
少しわき道にそれましたが、
基本的には領収書がないとダメ、でも領収書がない場合は、
何で領収書がないか、その理由をちゃんと記録しましょうという事です。
「これくらいは大丈夫だろ。大目に見てもらえるだろ」
なんていう勝手な思いが、自分のわきを甘くします。
領収書や帳簿は自分の身を守るため、ちゃんと保存しておいて下さい。
そして当然、
「わたしの経費はあなたの売上げ」なので
自分が発行した領収書は、その履歴がわかるように「控え」を残しておいて下さい。
だって相手先が「これはあなたからもらいました」と主張した場合、
その主張が正しいかどうかを、発行した人に尋ねてきます。
その時に、「その領収書ってどうだっけ?」ということになってしまうと、
これこそトラブルの始まりです。
別に悪いことをしているわけではないので、
「確かにこの領収書はわたしが発行しました」
と、堂々といえるようにしておきましょう。
「ウチは会社だから・・・」なんて思った人、会社でも全く同じですので。
世の中そんなに甘くないッ!!です。