ご利用は計画的に。 借入金について思う事
前回の記事(お金と信用)で、読み方によっては借金を推奨してしまうような文面になってしまいましたが、
吉田は基本的には借金に対しては、はっきり言ってマイナスイメージです。
職業会計人として25年以上、
税理士としても10年以上この業界で仕事をしていてはっきりと言い切れることがあります。
極端な話、会社は赤字が続いてもいきなり倒産することはありませんが、お金がなくなるとその瞬間に倒産します。
そしてデフォルトしてしまう原因のほとんどは、この借金の返済がトリガーになっています。
というより、借金に対する考えが甘く、安易に借りてしまうという言い方の方が正しいかもしれません。
近年カードローンなどによるフリーローンが発達していて、なおかつ銀行が母体となって展開しています。
審査が簡単で、手軽に利用でき、なおかつ別段借入理由は問いませんというものです。
しかし、これは基本的に表面金利が高いうえ、計算方法も複利計算となっているので、
「返済が終わる頃には一体金利は何パーセントになっているんじゃい!」
ってなことになってしまいます。
なのでこれを利用して日々の経費の不足分をカバーしていると、
後々大変なことになってしまいます。
本来は会社の借入金って借入理由は2つしかなく、1つは運転資金、もう1つは設備投資資金です。
このうち、運転資金については主に仕入代金をカバーするために行うもので、
返済方法も3年とか5年とかの分割返済が主流ですが、
本来売上代金が回収できた段階で全額返済しないと、
いつのまにか返済資金がなくなってしまいます。
もう一つの設備投資については、導入する設備の耐用年数に対応するように返済期間を設定しないと、
いつの間にか返済資金に困ってしまう事態になりかねません。
また、導入した設備が当初の予想より稼いでくれないと、
やはり返済資金が生まれない、なんて事態が起きてしまいます。
そして1番大切なことは、
日々の資金繰りで、キャッシュの足りない分を安易に借り入れで補おうって発想は危険信号です。
だって、借入れで補うほど経費をかけているってことは、単純に売り上げが足りないって事で、
そのビジネスモデルは破たんしかけているってことですよね。
そうすると、経営者としてしなければいけないことって、
資金調達より、ビジネスの根本的な見直しではないでしょうか?
「それって理屈だろ!」
といえばミもフタもありませんが、やはり理屈通りに考えていかないと、
気が付いたら会社を拡大するはずだった借入金に自分の首を絞められかねません。
そうなると、本来お金をコントロールするはずの経営者自身が、知らぬ間にお金に操られてしまいます。
運転資金という名目で日々の経費の足りない分を借金してしまい、さらにはこれを分割返済してみたり、
ましてや金融機関が貸してくれるからといって、特に必要もないのにお金を借りてしまうなんて
もってのほかだと思うんです。
たしかに、お金を借りれば一時的にでもキャッシュの残高が増えて、ココロに余裕が生まれるかもしれません。
でも、例えば5年返済で1,000万円借りれば、5年で1,000万円利益を出さないと、絶対返済できないですから。
これホントです。
そうすると、返済でお金が足りないからと言って、また借金する。
これが繰り返されると、いつのまにか本当に資金がショートしてしまいます。
やはり
「ヒト、モノ、カネ」を必要な時に必要な分だけ調達することが、経営の基本だと吉田は考えています。
ハッキリ言っておきます。
資金調達は外部を頼るのではなく、自分の会社の利益の中から生み出すものです。
そして、どうしても必要なときは、本当に必要な分だけを調達するように心がけて下さい。