自分の会社のマーケティングについて、考えたことありますか?
経営を考えるうえで絶対欠かせない要素だけど、いろいろな話がいっぱいあって、逆に明確に「コレだ!」とイメージが付かないものだと思います。
この「マーケティング」吉田としては、
「未来の数字をつくるための仕組みづくり。そのための行動やアクション」
と定義しています。
マーケティングというと、売上げについての事柄ばっかりだという印象があると思いますが、「未来の数字」なので、マーケティングの範囲には当然売上げだけではなく、経費とか借入とかも含まれます。
ただ、この仕事を長年していると、会社の赤字の原因って結局は絶対的に売上金額が足りないことなんです。
人件費を見直すとか、その他の固定費を調整する努力をするよりも、まずは最初に売上げについてどうするかを検討したほうが、圧倒的に効率的ですし、結果も出しやすいです。
なので、ここでも売上げについてのマーケティングを中心に触れていきたいと思います。
例えば売上げについての数字を単純に分解すると「単価×数量」になります。
そうすると、まず考えるべきことは「いくらで売るか」「いくつ売るか」「何を売るか」「誰に売るか」「どうやって売るか」などではないでしょうか。
ことばにしてみると全部当然と言えば当然なことなのですが、これらのことを冷静に検討してみたことってありますか?
このような話をすると、経営者として最初に思いつくのはだいたいが「いくらで売るか」とか「いくつ売るか」ばかりを考えてしまいます。
でも、本当にそれで良いのでしょうか。
「ビジネスとは困った人の問題解決である」とはモノを売るための鉄則です。
たとえば、ホームセンターにドリルを買いに来た人は絶対にドリルが欲しいわけではありません。その人は穴をあけたいだけなんです。
フォーカスすべきは「ドリル」でななく「穴をあける」ということ。
ということは、その人の問題は「ドリルが欲しい」ではなく「穴を空けたい」ということになります。
もしかしたら、その穴を空けるためにはドリルなど必要ないかもしれません。もっと他に良い道具があったら、それを提案してあげる。
でも、それを理解していないと、「そのドリルより、こっちの方が性能もよく使い勝手がいいですよ」なんて、ドリルの説明ばっかりして、ドリルを売ることに努力してしまう。
そもそも、そのお客が抱えている問題の本質を見抜いて、一番最適な提案をしてあげれば、その後のその客との関係性もよくなってゆき、何かあったら一番最初に相談してきます。
これこそが、本当の「お客様第一主義」の姿だと考えています。
けっして、何から何まで客の言いなりになって、まるで奴隷のように従うことが「お客様第一主義」ではありません。
結局は、いくら自分の商品を売ろうとしても、お客様としては、自分の問題を解決してもらえるものか、幸せにしてもらえるものでないと、その商品を買おうとはしません。
もっと言ってしまえば、人は苦痛から逃れられる場合か、快楽を得られる場合にしか、お金を出しません。
この「問題解決」または「幸せになること」が、お客様にとってのベネフィットになります。
そうすると、まず初めにしなければならないことは、あなたの商品はどんなお客様に対するどんなベネフィットになるかを再認識することです。
これさえ確認できれば、「だれに」「何を」売るかというキーワードに対する答えはおのずと導き出されると思います。
お客様に対するベネフィットを、より鮮明にするために意識して伝え続ければ、自然とお客様は集まってくるはずですし、この不況の時代でも客先を増やしているところは、絶対これをやっています。
そして明確になったベネフィットによって、はじめてその商品の価値が生まれて、「いくらで売れるか」という金額の問題になっていきます。
「優れたマーケティングはセールスを不要にする」とは、かのピータードラッカーの名言です。
他にも人件費などは「誰の人件費か」「いくら調整したいか」「どうやって調整するか」「何人分調整するか」などが浮かぶと思います。
こうやってキーワードで当てはめてやれば、ただ漠然と何をしようと考えるよりも、より具体的な行動やアクションが浮かび上がってくると思います。
自分の会社のマーケティングについて、一度冷静に見直してみたらいかがでしょうか。